これまでガラス製の容器の割れや耐食性の問題を抱えていたお客様からのご相談をきっかけに、チタン製容器を製作いたしました。
異方性（物理的性質が圧延方向により異なること）の性質を持つチタンは、他の金属にはないヘラ絞りの難しさがありましたが、試作を何度も繰り返し、お客様のご要望に満足いただける製品を提供することができました。
このチタン製容器は展示会などでもお客様から大変な関心をいただき、「チタンってヘラ絞りできるの？」、「かなり深いけど、ここまでヘラ絞りして大変じゃなかった！？」など、様々なお声をいただいております。 ここではチタン製容器の製品紹介並びにヘラ絞り加工についてご説明させていただきます。
チタン材ヘラ絞り加工のご紹介
"φ180 x 280mmH"のヘラ絞り製品
まずは右記完成品画像をご覧ください。
様々なサイズをご用意しておりますが、最大5L用の容器の製作をいたしました。
冒頭申し上げた異方性や、ヘラ絞りにより生じる減肉など、深ければ深いほど形状出しが難しい塑性加工となります。
ヘラ絞り加工とは？
板や円筒の金属板を回しながら、"へら"と呼ばれる専用の道具を板に押し当て圧力を加えることにより成形する、塑性加工の一種です。
ヘラ絞り加工では、照明器具や調理器具、車やバイクの部品、アンテナ、楽器、最近ではキャンプ用品のクッカーなどの案件が多いです。
ヘラ絞り加工のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
・イニシャルコストの削減プレス製品に用いる金型のようにオスメスが不要で、1個で加工が出来るため。 *ヘラ絞りは木型や簡易金型でも製作が可能です。 |
・大量生産には不向きNCもございますが、一個一個セットし、加工をするため、大量生産の場合はプレス加工の方が優位です。 |
・溶接構造でなく、一体物での製作が可能繋ぎ目の無い仕上りが可能。 溶接構造やボルト止めなど、設計・強度・コストなど優位性あり。 |
・技術者の経験と技能に品質が左右される加工の特性上、素材の延性により、減肉・肉溜まりが発生してしまう。 |
用途実例
・ガラス製品⇒チタン製品へ（高濃度薬液環境下で使用する容器）
＊耐食性、強度UP、軽量化
↓↓ その他 ↓↓
・カーボン製品⇒チタン製品へ（バイクのマフラーエンドキャップ）
＊材料費の削減、強度UP
・鉄製品⇒チタン製品へ（金属溶解などに利用するるつぼ）
＊軽量化、高融点、熱伝導率
【可能性用途】
海洋関係,化学薬品関係,インテリア,エクステリア,自働車部品 他
お客様の声
【A社】化学薬品メーカー
今まではガラス製容器で、人が手作業で運ぶ際に手を滑らせ、容器を割ってしまっていました。
使用する薬液はとても高価なため、非常に損失も大きく、困っていたところ、チタン製に置き替えることにより、薬液による腐食や、破損を防ぎ、安心して仕事が出来るようになりました！
【B社】飲食店経営者
ステンレス製の火鉢を利用していましたが、チタン製に替えたことで重量も半分程度になり、扱いやすくなりました。
また小ロットでも快くお請けいただき、感謝しております。
図面の製作、材料の選定、形状・外観仕上りの相談まで、一貫してご対応いただき、とても助かりました。
終わりに
チタンは高比強度・高耐食性・軽量・生体適合性のある材料です！
現在の材料で日々お困りなことがございましたら、是非一度ご連絡いただけますでしょうか？
弊社は旋盤加工・マシニング加工・板金加工、その他表面処理、検査測定など、一貫してご対応可能です。
是非一度、ご使用環境をご相談いただき、私たちで "未来の課題をチタンで解決"させて下さい！
今後も新たなチャレンジに積極的に取り組み、お客様の多様な加工ニーズに真摯に対応してまいります。 ご不明点やご質問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
