チタン、チタン合金の加工には、十分な加工経験と知識が必要です。オーファでは難削材加工時の切削油の温度管理はもちろん、空調管理・工具刃物管理など徹底した管理の下で製造に取り組んでおります。
様々な分野でチタン加工に貢献してきた経験を基に、今後更にチタン加工・製造に注力して参ります。
日々チタンと向き合い、チタンの声を聞き、お客様のご要望を実現するチタンのプロ集団を目指します。
チタン加工実例
チタン64丸棒極薄パイプ加工(NC旋盤)
チタン64丸棒極薄パイプ加工
溶接管に比べ真円度が良好なため、歩留の改善や接合相手方との高い嵌合性が実現可能です。表面粗度やキズ防止も含め、ご要求仕様に応じた品質管理を致します。薄肉軽量化が必要な航空宇宙分野等での活用が期待されます。
- 材質:チタン2種、チタン合⾦(6Al-4V) 他
- 製造範囲:外径Φ10〜Φ300mm(公差+0.1mm~)
- 長さ:L10mm 板厚:t0.5mm ~
- 用途:バッテリーケース、航空宇宙部品、海洋部品、自動車部品他
円盤加工(NC旋盤)
厚板から円盤加工し、厳しい平坦度仕様に対応
平坦度0.02を保証するにあたり、まずロット毎の素材受入検査を重点的に行います。仕上がりに影響する重要な作業です。また、加工段階では都度加工状況を確認しながら、補正を繰り返します。単に削るだけではなく、母材の性質を見極めるためのスキルが必要となるので、熟練の担当が専属で行っております。
- 材質:チタン2種、チタン合⾦(6Al-4V) 他
- 製造範囲:平坦度/0.02mm 外径/Φ5~Φ350mm 板厚/t3~t50mm
- 用途:半導体設備装置、他
難形状加工(マシニング)
チタン64丸棒から難形状の削り出し
2台のMCでパートを分け加工することで、2軸加工機での製作を実現。社内加工機でどうすれば5軸加工同等の製品を加工出来るかを、担当オペレーターと試行錯誤を重ねつつ、削り出しの成功に至りました。上記商品はΦ80×150mmの丸棒からの加工になります。某バイクレーシングチーム向けに採用いただいております。
- 材質:チタン2種、チタン合金(6Al-4V) 他
- 製造範囲:外径/Φ10〜Φ100mm
- 長さ:L10〜L300mm
多角NCロール成形加工
自由に多角形パイプを成形
2輪用サイレンサーボディなどに使用されております。今まではラウンドタイプの円筒が主流でしたが、流行により多角形のボディも増加しております。オーファでは円筒だけでなくNC制御で成形する多角形まで得意としております。また、プレス加工で製作するボディより高精度で、且つ金型も不要なため経済性に優れた加工方法となります。
- 材質:チタン1種、2種、チタン合金(6Al-4V)、ステンレス、アルミ他
- 製造範囲:外径/Φ90〜Φ200mm
- 板厚:t0.5、t0.6、t0.8、t1.0mm(実績)
- 長さ:L500mmまで
- 可能性用途例:EVバッテリーケース、衛星部品、産業用マフラー材、他
エッチング加工
特殊薬品を使用し素材を溶かしていく加工方法
オーファが手掛けるチタンエッチングは、ステンレスや他の金属と違い、倍以上の時間を掛け少しずつエッチングしております。時間を掛け処理する必要があるため、ロス率が高くなるリスクがありますが、厳重に板厚や薬液を管理し極限まで不良率を下げる努力をしております。
従来の加工方法では対応出来なかったデザインで、オーファは他社に先駆けてエッチング加工によるチタン製ラジエーターコアガードを製作致しました。パンチングでは穴径の規格が決まってしまいますが、エッチングでは自由自在なテクスチャーを表現できるため、デザインのご要望に幅広くお応え出来ます。
- 材質:チタン:1種、2種
- 製作サイズ例:t0.8×372×208mm
ボルト切削加工(NC旋盤)
NC旋盤で細径から太径ボルトまで製作可
オーファでは近年、海洋土木向けのオールチタン製アンカーボルトの開発をしております。切削加工の際には“かじりつき”を抑制出来るよう管理しながら製作する必要があります。チタンボルトは耐食性・耐熱性・軽量化・高強度など優れたパフォーマンスを発揮し、従来の2輪、4輪向け用途(アフターパーツ・レース関連)に加え、新たな分野での活用が期待されます。また日本製鉄様の独自チタン合金Super-TIX51AF®にて、清水寺の補修用ボルトの製作実績もございます。
- 材質:チタン2種、チタン合金(6Al-4V) 他
- 製造範囲:外径/M4〜M70
- 長さ:L10〜L200mm
スリーブ加工(NC旋盤)
丸棒をNC旋盤で切削して精密パイプを製作
溶接管では製作できない肉厚・高強度のパイプです。『⼯具と加⼯条件の適正管理』と『難削材への技術⼒』でコストダウンと精度の向上を実現します。製品性能向上(動作の⾼精度化、省エネルギー、抑振動など)によりエネルギー削減に繋がり、SDGsへの貢献や、海洋土木・海底関連のような耐食・耐圧環境下での活用も期待されます。
- 材質:チタン合⾦(6Al-4V)、Alloy718
- ⻑さ:100mm
- 円筒度/0.01mm 外径公差/±0.03mm 内径公差/±0.01mm
- 表⾯粗度(内⾯/Ra0.5)
- 製作実績例:外径/Φ40mm 内径/Φ30mm
- 可能性用途例:⽔素ステーション、次世代自動車、空⾶ぶ⾃動⾞、航空・宇宙、海中ロボット
ヘラ絞り加工(スピニング加工)
板や円筒の金属板を回しながら、“へら”と呼ばれる専用の道具を板に押し当て圧力を加えることにより成形する塑性加工の一種
チタンのヘラ絞りは冷間での加工が困難なため、素材を加熱し柔くしてから延ばしていきます。そのため外観は酸化が進み、真っ黒な仕上りとなりますので、酸洗や研磨による仕上げが必要となります。またヘラ絞りの形状により箇所毎に減肉する程度が違うため、肉厚をコントロールしながら作業する必要があり、細心の注意が必要です。
- 加工工程:円板へレーザーカットヘラ絞り注ぎ口プレス加工酸洗
- 材質:チタン1種他
- 製造範囲:外径/Φ180×H280mm程度
- 可能性用途例:海洋関係、化学薬品関係、インテリア、エクステリア、自動車部品、他
カラーチタン(陽極酸化)
陽極酸化法により、チタン表面に薄い酸化皮膜(無色透明)を生成させると光を干渉して色が見えてきます
酸化皮膜の厚さによって、色調が変化します。メッキや染料や塗装と比べ、チタンの機械的物性を失わず、耐候性、質感も良好です。見栄えが華やかになり、金属部品の中でも特に目を引く外観となります。民生品などの外観用途に加え、インプラントなど医療部品の色分けによる識別用途への活用が可能です。
- 材質:チタン1種、2種、チタン合金(6Al-4V)
- 加工範囲:約450mm角
- 用途:民生品、モニュメント、インプラント、等
カラーチタン(陽極酸化)グラデーションカラー
光の入射方向、見る方向により微妙に色調が変化するため、塗装などでは出せない独特な色表現が可能
陽極酸化処理をする事前準備として、下地処理を丁寧に行い、酸化被膜をコントロールすることにより、他社製品には無い、ピンクとゴールドのグラデーションカラーを生み出すことが出来ました。画像のラジエーターコアガードは某youtuber様のページでもご紹介いただいており、配信後にはお問合せが殺到し、一時Soldoutになりました。
【陽極酸化の表面仕上げは4種類】
- 素地+陽極酸化素材光沢仕上げ
- バフ研磨(#400相当)+陽極酸化光沢があり鮮やかな仕上げ
- ブラスト研磨(#100相当)+陽極酸化ツヤ消し仕上げ
- ヘアライン研磨(#180相当)+陽極酸化ヘアライン仕上げ
ベンダー加工
パイプ・丸棒の各種曲げ
「チタンだから曲げにくい」は過去の話です。チタンの加工の十分な加工実績とノウハウをもつオーファでは、鉄やステンレス同様に曲げ加工が出来ます。チタンはスプリングバックが大きいため、曲げ角度の調整を繰り返し行うことが肝心です。
- 参考サイズ:Φ6.0〜Φ60.5mm程度、肉厚はt1.0〜t1.5mm程度、曲げ角度はご相談ください。
- 材質:チタン、ステンレス、アルミ、鉄等
- 可能性用途例:フレーム、電源装置部品、ブラケット、エキゾーストパイプ
FG処理
酸化と炭化を同時に進め、表面に炭素ドーブ酸化チタン被膜を形成する表面処理
高硬度、耐磨耗性、耐食性に優れ、光触媒特性を持つ表面処理です。母材と皮膜との間で大きな硬度差のあるメッキの表面処理とは異なり、母材と表面硬化層との間で硬度が連続的に変化するのが特徴です。データブックをもとに狙いの硬度や膜厚を設定することが可能です。プラントのバルブやシャフトといった摺動部品など、耐食性が要求される一方で、無垢のチタンのままだと摩耗してしまう環境での耐久性向上を実現。
- FG処理条件【例】(チタン合金(6Al-4V)、バランス型)
- 硬度:1000〜1100Hv
- 膜厚:5μm拡散層深さ:25μm
- 可能性用途例:化学プラント、マフラー、医療装置、水処理・環境設備、次世代エネルギー
溶接
ティグ溶接(TIG)
オーファではチタン材の溶接加工はティグ溶接を主としております。溶接中のチタンはシールドガスに覆われ空気に触れることが無くなり、酸化を防ぐことが出来ます。スパッタの発生がないことが特徴です。上記の集合パイプは内部の溶接が非常に難しく、材料準備の際、各パーツ毎に角度を見定め、寸法精度に留意して製作しております。
形状や溶接の内容にあわせてシールドガスで溶接箇所を覆う作業は、熟練の技術が必要となります。出力電流や時間管理・ガスの調整など、1点1点確認しながら、注意し製作しないと、ブローホールや割れの原因にもなってしまいます。また、ボルトを使用せず、溶接構造にすることで、タンク等、気密性や軽量化にも貢献します。
板金加工
パンチングシートタレットパンチング加工/プレス加工
タレットパンチングでの製品は2輪、4輪のマフラー部品はもちろん、建機関連や電機製品、食品機械などの機能部品や沿岸部のエクステリア用など用途が広がっております。ご要望の穴サイズ、ピッチ(穴と穴の間隔)への変更も可能です。レーザー複合機での複雑形状への加工も可能です。またプレス加工では板材、棒材を金型に合わせ成形します。2輪マフラーの異形状のキャップも対応可能です。軽量化・通気性・デザイン性の向上に貢献します。
- 材質:チタン、ステンレス
- 可能性用途例:電極、遮蔽板、ネームプレート、レンジ周り、インテリア、アウトドアアイテム
私が創りました!
"チタン加工部の本気の遊び"
入社1年目~3年目の製造メンバーが挑戦。
オーファの製造部はたくさんのアイディアや可能性を持っております。オーファの将来を担うメンバーの可能性をご案内します。日々製造部で努力をしているメンバーのフレッシュな商品提案スペースです。
レーザーマーカーを利用した文字盤
(製作者の想い)
カラーリングの中でも、デザイン性やこだわりを反映させた加工事例が無かったため、挑戦してみたいという想いからカラーレーザーマーキングを試してみました。通常のレーザーマーカーよりも材料表面をきれいにしておかないとシミなどが発生してしまうため、表面処理に注意しながら製作しました。
M72×150L 64合金チタンボルト
(製作者の想い)
大径精密加工で培った旋盤、マシニング加工技術を活かし、大径サイズの「チタン64合金ボルト」を企画。この大きさでも、片手で持てる軽さはチタンならでは。軽くて強い特性を建築や大型機械の現場で使ってほしい。
自由自在!組み立て式お箸
(製作者の想い)
ボルトの製作で培った旋盤技術を活かし、組み立て式の「チタン箸」を企画。軽量・コンパクトで持ち運びにも便利。組み合わせにより長さを変えられるので、お子様から大人まで、食事用から菜箸まで。使い方・長さも自由自在にカスタム出来ます。家での食事やアウトドアなどにも使ってほしい。
スクラップから出来たコースター
(製作者の想い)
チタン板のスクラップから何かできないかという想いで企画。角の立上げ加工を施すことで、ピックアップが容易になっております。
切子ガラスをイメージしたアルミ切削コップ
(製作者の想い)
難削材の精密加工で培った旋盤加工技術を活かし、「切子ガラス」をイメージしたアルミの切削コップを作成しました。加工技術で自在にデザインができることをもっと皆さんに知ってもらいたいです。
オリジナル研磨+陽極に挑戦!
(製作者の想い)
陽極酸化の際に、表面仕上げの重要さを学び、そこからオリジナルの表面処理に挑戦。意匠性が必要なシーンに使ってほしい。